導入事例
相談窓口のカウンセリング機能が決め手に
商工組合中央金庫 <略称:商工中金> 様
調査役 得冨 敬資 様
【商工中金について】
商工中金は、「商工組合中央金庫法」という特別の法律に基づいて設立した中小企業専門の金融機関です。本年10月1日に「株式会社商工組合中央金庫法」のもと、株式会社に変わりますが、「中小企業組合と中小企業の皆さまの成長に貢献する」という使命は変わりません。株式会社化となることで、経営の自主性が高まり、業務範囲の拡大などを通じ、従来以上に皆さまに多様な金融サービスを効率的かつ安定的にご提供することが可能となります。
【ハラスメント対策への取組みについて】
当金庫は、従来より男女雇用機会均等法の趣旨に則り、セクシュアル・ハラスメントの防止に取り組んでまいりました。対策としては、研修と相談窓口の設置の2つを柱としました。
研修については、階層別の集合研修と職場内研修を組み合わせて実施しており、セクシュアル・ハラスメントを含む様々な人権問題を扱ってきました。従来の一方的な講義形式で行うのではなく、直近1年間の相談窓口宛相談のあった事案の中で、相談件数の多かったテーマを中心に、ケーススタディ方式の研修を実施しました。これにより、人権問題を他人事ではなくより身近な問題として認識させるとともに、より実効性のあるものとすることができたと考えております。
一方、相談窓口については、人事部内のセクシュアル・ハラスメント相談窓口のみであったため、他のハラスメントに対する相談窓口を整備する必要がありました。そこで、平成19年4月1日付けで本法律が改正されたことを機に、職場におけるハラスメント防止のため、体制面を含む全般的な見直しを行いました。具体的には、当金庫内部と外部にハラスメント問題への相談窓口を設置しました。内部は、従来からの人事部内のセクシュアル・ハラスメント相談窓口にパワーハラスメント相談機能を加えました。外部は、(株)クオレ・シー・キューブに外部相談対応を委託しました。これにより、ハラスメント問題に対する当金庫内外の相談体制を確立しました。
外部相談に関しては、職員への周知を図るべく、通報窓口を記したカードをパート、派遣職員を含む職員全員に配布しました。これにより、ハラスメント問題の直接的な解決や加害者に対する心理的抑止効果に資することはもちろん、当金庫が、全職員に対し組織としてセクハラ・パワハラ問題に対する強い姿勢を示すことができたのではないかと思っております。
新入職員には、最初の研修時に本カードを配布しています。会社がハラスメントに対して毅然とした態度をとることを伝え、「組織はあなたを守っていきます。だから安心して仕事に集中して下さい」というメッセージを伝えるわけです。ハラスメント防止の具体的なパッケージの存在を伝えることは、特に白紙の状態で入社してくる若い職員には、非常に強いメッセージ効果があると思います。
【(株)クオレ・シー・キューブとのかかわりの経緯】
当金庫が所属しております東京人権啓発企業連絡会等の研修会・講演会において、しばしば岡田社長の講演を拝聴する機会があり、豊富な具体例とわかりやすく説得力のあるお話の内容に大変好感を持ったことが、(株)クオレ・シー・キューブとのかかわりの経緯となりました。
【相談窓口に(株)クオレ・シー・キューブを選んだ理由】
外部相談窓口をどこにするかにあたっては、御社を含む数社が候補に上がったのですが、最終的に御社を選定しましたのは、カウンセリング機能を重視するという御社のスタンスと、入り口段階における問題の未然防止を図ることに重点を置くべきと考えた当金庫のニーズが一致したことによるものです。セクハラ、パワハラの問題に対して未然防止を図るには、どうしても入り口段階での丁寧なカウンセリングが必要です。その点、(株)クオレ・シー・キューブにはカウンセリング機能の十分なスキルと経験があると判断しました。
また岡田社長の講演の印象や、「パワハラ」という言葉の生みの親であること、セクハラ・パワハラの問題だけでなくコンプライアンスに関しても対応できる点なども御社を選択するポイントとなりました。
契約して約1年5か月ですが、報告をあげていただいた相談のなかには、ただちに社内で対応し、問題が大きくなる前に防止できた事例や、適切なアドバイスをいただき解決へ結びつけることができた事例があります。大変ありがたく感謝しています。
【今後の課題について】
ハラスメントの問題は、カードの配布や外部相談窓口の設置で完全に未然防止ができたり問題が起きなくなったりするほど、簡単ではないと思います。
必要なことは、未然防止のための継続的な研修、定期的な支店訪問の頻度を高めること、そして職員に対し、ハラスメントを受けたら勇気を出して相談してほしいと様々な機会をとらえて伝えること、の3つです。まず、研修については今後も事案を中心にしたケーススタディ形式の研修を続けて行きます。続いて、以前より行っていた人事部による定期的な支店訪問ですが、これは全国約100カ所の支店・出張所等を人事部の職員が訪問し、ハラスメントにつながる火種はないか、今どのような問題で悩んでいるかなどを職員に面接して聞き取って問題の未然防止を図っています。3つ目としては、「ハラスメントは、自分自身が直接被害に遭った時はもちろんであるが、職場の環境や周りの言動などが不快だと感じた時も、決して一人で悩まず、勇気を出して上司や相談窓口へ相談していただきたい」というメッセージを継続して発信していきたいと考えています。
当金庫は、常に「お客様の立場に立つ」という意識で70年間お客様の成長をバックアップする仕事をしてきました。「お客様の立場に立つ」とは、職員間に置き換えれば相手の立場に立って考える、言動に注意する、ということです。そのことを周知徹底できれば、人権問題、ハラスメントの問題は防止できると思います。今後もそのような意識を持ち続け、組織風土を作っていくことが重要だと考えています。































− 弊社 岡田康子より −
パワハラが起きやすい環境要因のひとつとして、「組織や制度の変更時」が上げられます。よい方向にシフトしようという経営陣や管理者の懸命な努力が、社員には過度なプレシャーとなったり、排除されるのではないかという不安を抱かせたりすることがあります。商工中金様が大きな変化を前にして、ハラスメント問題への姿勢を改めて示されていることは、社内に大きな安心感を与えていることでしょう。このように組織変革や上場を前にして体制と整えるために相談窓口をご契約くださる企業も増えています。結果的にそれは従業員だけでなく、投資家やお客様への信頼性を高めることにもなっているように思います。