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定期講演会開催時の資料使い方守らず「弁償しろ!」

使い方守らず「弁償しろ!」

こちらの「ダウンロード」は、メンタルヘルスやハラスメントに関する簡単な解説を掲載しています。研修教材や社内啓発の配布資料としてご活用ください。

使い方守らず「弁償しろ!」

私は大手百貨店に34年間在籍し、そのうち8年間は「お客様相談室」を担当しました。その間に処理したクレーム数は約1,300件。真っ当なものもありますが、ここに紹介する理不尽極まりないものもかなりありました。悪質なクレーマーは今もどこかの店を狙っています。 「おまえは帰れ!」いきなり大声で怒鳴られました。代替品を持参してないというのだ。怒鳴られた係長も私も唖然。そんな約束はしていないのだ。さらに大声で、「すぐに会社に戻り持って来い」「それを待つ間、自分の時間が無駄になるので、ここに1万円置け」と言うのだ。“授業料”だそうである。

数多くのクレームを処理してきた私も、その論法は初めて聞く。理屈は分からないでもないが、正常とは思えない。この男、70歳に近く、無職で小さな平屋に奥さんと2人で住んでいて、過去の事業の栄光を再三口にする。

トラブルは「言った、言わない」に端を発した苦情だが、男はクレーマーであり、狙いは弁償代金か慰謝料だ。中身は、「卓上水コンロ」の受け皿に水を入れずに使ったため、伝わった熱でテーブルの塗料が少し変色。男は販売員が「使い方を説明しなかった」からだと絡んでいる。確かに販売員も間違うことはある。しかし、担当した販売員は売り場の責任者で、何よりもそのときのやりとりをしっかり覚えていた。

最初の訪問では、この不始末をどう対処するのかと、こちらの対応力を探る感じだった。男は話の中で、他店ではクレームにどう対応したかを羅列し、自分は“いつも正しく販売員の教育をしている”と自慢する。こう言われたら折れるわけにはいかない。また、悪質なので、今後のご来店を遠慮願いたい人だ。途中で、脅かしのつもりか、「最初からの経緯、あなたの対応、そして誠意のない態度をすべて書いた手紙を社長に送る。あなたは職を失う。」とくり返す。

2度目の訪問も接点が見いだせず物別れに終わり、「あなたは誠意が足らないし、私の困った点も理解が足らないので、担当を代わってほしい」と要求してきた。これもクレーマーが自分の思い通りに進まないとよく使う手だ。人を代えれば、要求が通りやすいと踏んでいる。

男の家には3カ月で合計6回訪問したが、歩み寄りはなく対応を打ち切った。トラブルから1年後、男から社長あてに手紙が届いたが、詳細はすべて報告しており、会社も対応することはなかった。

(関根眞一・・・ 1969年から2003年8月まで大手百貨店に在職。昨年10月に自らの体験を元 にした「苦情学」(恒文社)を出版。現在、苦情・クレーム対応アドバイザー(2007年 8月19日 Gendai.net掲載))。

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