ハラスメントの予防と対策サービス-企業のカスタマーハラスメント(カスハラ)対策の概要

企業のカスタマーハラスメント(カスハラ)対策の概要

今日、社会問題として顕在化しているカスタマーハラスメント(カスハラ)は企業において対策が求められています。その法的な根拠としては「安全配慮義務違反」が挙げられます。

カスタマーハラスメントの被害を受けた従業員は、怒りや不満、不安な気持ちになり、職場の環境が安全ではない状態となります。それを放置したり、従業員のケアを疎かにしたりすると、企業が安全配慮義務を怠ったとして損害賠償責任を負うことになります。また、カスハラに対して適切な対応を怠った上司の行動が、法的に「不法行為」にあたるとして、その上司を雇った責任、つまり使用者責任が会社側に生じます。

カスハラ対策の法的根拠

  • 1. 安全配慮義務違反(民法415条)
    従業員が安心安全に働く職場環境を整備しないことで債務不履行となる
  • 2. 使用者責任(民法715条)
    カスハラ被害を受けた従業員への対応を、上司が適切に行わなかった場合、その上司の「不法行為責任」を基に上司の使用者責任が生じる

また、令和2年(2020年)1月に策定された「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)で、罰則規定ではなく理念規定ではありますが、以下のように定められています。

顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為(以下「カスタマーハラスメント」)に関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、また、被害を防止するための取組を行うことが有効。(下線は弊社)

このことからも各企業においてカスハラ対策は急務で、現在多くの事業所で策定が急がれています。

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは

カスタマーハラスメントとは、一般的に、顧客や取引先等からの著しい迷惑行為のことを言い、顧客の立場を利用して、例えば、店舗のスタッフや取引先に対して侮蔑的な発言や性的な言動、自己中心的で理不尽な要求をするハラスメントのことを指します。
  • * 厚生労働省の『カスタマーハラスメント対策企業マニュアル』では以下のように定められています。
    「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの」

BtoBカスハラの対策と対応

カスハラはパワハラやセクハラと同様、私たちは加害者にも被害者にもなりえます。

BtoBカスハラ対策のポイントは、まず、自社の従業員がお取引先企業からカスハラ被害に遭った場合の、「カスハラをされた時の対応」を万全にすることです。これは法律により、企業は自社従業員の安全を守らなければならないためでもあります。

企業はその姿勢を社内外に示すことで、逆にそのようなカスハラ行為を自社員が行った場合の対応を明確にし、そのような行為を未然に防ぐ研修などの施策を通して、自社従業員によるお取引先企業へのカスハラ行為を防止します。

企業のカスハラ対策では、お取引をしている担当者が、相手企業にとっても大切な従業員であることを尊重し、双方にとって適切な取引環境を構築する意識を醸成します。

BtoBカスハラの対策

カスハラ対策により、つの成果が得られます。

  • クオレ・シー・キューブ
    3つの成果
  • 1.
    能力発揮
    従業員の健康増進、エンゲージメント向上により、早期退職を防止できる
  • 2.
    防止と対応
    カスハラの未然防止と起きた時の対応整備により、安心して働き続けられる職場を醸成できる
  • 3.
    企業価値創造
    カスハラ対策の実践により、顧客対応の品質向上や改善を図れる

クオレのつの特徴

  • 1.「パワハラ」の語句を誕生させた

    『パワハラ』の言葉を生んだ弊社は、企業・組織・行政団体などから繰り返しコンサルティングのご依頼をいただき、年間約750件の研修実績とのべ3000社以上のコンサルティング実績があります。

  • 2.ハラスメント対策の第一人者

    ハラスメント防止のための施策について厚労省委員等に度々就任。東京都「カスタマーハラスメント防止動画」を監修・出演。東京都カスタマーハラスメント防止対策に関する検討部会委員の原昌登成蹊大学法学部教授は弊社顧問

  • 3.偏りのない視点

    これまでパワハラ対策で培ってきた知見により、自社・自社従業員・顧客企業のどの立場にも偏ることなく、企業として本来すべき対策・対応に留意したアプローチを実行

  • 4.専門家集団

    弁護士、社労士と連携。東京都カスハラ対策検討委員で、弊社顧問の原昌登成蹊大学法学部教授による公開講座を継続開催。調査研究部門「人と場研究所」発足

  • 5.高い評価と信頼

    ハラスメントに関して企業・組織・行政団体などからの信頼は厚く、各方面からコンサルティングのご依頼を繰り返しいただいております。

  • 6.カスタマイズ提案

    被害を受けた自社従業員を守り、行為者を自社従業員から出さないために、業種・業態の違いやBtoBとBtoCの違いなど、様々な事情に留意したご提案を検討します。

求められる対策

カスタマーハラスメントの判断基準は、業種や業態、企業文化によっても異なる場合があるため、深刻な被害が見逃されて、我慢を強いられてきた背景があります。

それぞれの会社でカスタマーハラスメント被害の実態を把握し、実際のビジネスに沿った判断基準を明確にしたうえで、会社の考え方や対応方針を統一し、現場と共有することがとても重要です。

カスハラ発生に備えて

  • 企業・組織のトップが従業員向け・取引先(顧客)向けに明確なメッセージを発信
  • カスハラの基本方針を策定
  • カスハラ相談体制を整備
  • 相談員の任命と相談窓口の設置・周知
  • カスハラ対応研修を実施
  • 上司は部下への労いを心がけ、体調に配慮
  • カスハラ対応後、対応に当たった上司をサポート
カスハラは

現段階での具体的な被害状況を把握して、今、現場で対応する従業員が窮地に追い込まれていないか、問題が放置されていないか、確認しましょう。

確認を怠り、従業員がうつ病など体調不良になった場合、会社は従業員から訴えられて、安全配慮義務違反や不法行為責任を問われかねません。一方で、企業としてカスタマーハラスメント対策を十分に講じていたことで、安全配慮義務の責任を免れた事例もあります。

カスハラ対策をしないと

従業員への影響

  • 従業員のメンタルヘルス問題の増加
  • 従業員同士のハラスメント問題を誘発する
  • 優秀な従業員が休職・離職する
従業員への影響

企業への影響

  • トラブル解決、労働審判、裁判などへの対応に業務が割かれる
  • 企業価値が低下し、就職希望者が減る
  • 深刻な人材不足に陥る
  • 経済的損失
企業への影響

取引先・顧客への影響

  • カスハラを目撃した別のお客様にも不快感を与え、顧客・取引先企業が離れる
  • お客様が求めているサービスや期待する価値がご提供できずに、ブランドイメージが低下。顧客離れに影響する
  • 取引しにくい雰囲気、取引の停止
  • 休業・閉店などによりサービスが受けられない
顧客への影響

会社としてしっかりとした対応策を実行することが、今後ますます求められるでしょう。企業にとって、カスハラ対策は、社員が誇りを持って働くためにも、企業が広く社会に貢献するためにも、健全な企業運営に欠かせない責務と言えます。

カスハラ対策はプロにお任せください!

私たちはあらゆる職場のハラスメント問題にハラスメント総合コンサルティング会社として30年以上関わらせていただいています。今日、新種の「○○ハラ」が数多く見受けられますが、相手に対する優位性という点においてそれらは基本的には「パワハラ」であると考えています。私たちは長年培ってきた知見を活かして、カスハラ対策をサポートいたします。

カスハラ対策を自社内で実践すると

  • 専門知識・対応経験の不足
    最新の動向をつかむのに限界があり、対応に二の足を踏む
  • 施策がアンバランスになる
    ビジネス上の優先順位により十分な対策ができない可能性がある
  • 重心が顧客に寄りがちになる
    問題が起きた際、顧客企業に偏った対応をし、自社従業員への対応が不十分になってしまうことが考えられる
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