創立30周年記念コンテンツ「VUCA時代の人材育成・人財マネジメント」

創立30周年記念コンテンツ
「VUCA時代の人材育成・人財マネジメント」

VUCA時代の人材育成・人財マネジメント

VUCAの時代

昨年から私たちクオレ・シー・キューブはこれからの職場問題を解決すべく様々な研究会を立ち上げています。その一つに起業研究者や企業の研究所の方々と開催している〔VUCAマネジメント研究会〕があります。VUCAとはVolatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguityで変動・不確実性・複雑さ・曖昧さの混在する現代社会を表しています。

気候変動や為替の大きな変動と共にビジネスにおけるVolatilityはますます増大しています。また今やどのような企業でもビジネスを単一的に展開することは稀で、商品やサービスは複合的に提供されており、これらがもたらす変化を予測し対応していくことは不可欠となっています。さらに競争優位期間も短くなった今日、事業そのものの変化も激しく、新事業進出や新商品開発はもはや日常的課題になっています。そこにはさらに不確実さ、曖昧さという要素が加わってくると言われています。このことから今、企業では人材育成がより一層の課題となっています。

VUCAマネジメント研究会〕では‘不確実さ’は「情報不足により、自分もしくは会社が知らない領域」にあり、‘曖昧さ’は「世の中の誰もが知らない領域」の技術や市場にあると定義しています。今マーケティングの世界でもCausationといわれる論理的な予測だけでなく、Effectuationという起業家的発想で行動することが必要だと言われています。それは未知の世界に出ていく態度と言えるかもしれません。〔VUCAマネジメント研究会〕はこうしたビジネス環境に対応した新たな事業マネジメント体制、方法を開発しています。その第一歩として<新事業創出体制>や今後の人材育成を見据えた<テーマ管理><チャレンジ可能な職場>を診断するツールの開発を行っています。

不安のマネジメント

さて、では「なぜハラスメント対策のコンサルティング会社であるクオレ・シー・キューブがこのような研究を行っているのか」ということですが、それはVUCAという社会環境は働く私たちの心理や行動に大きな影響を与えると考えられるからです。変化が激しく、曖昧な状況下では私たちの多くは不安になることでしょう。実は私たち日本人は諸外国の人たちに比べて不安に陥りやすい傾向があるのだそうです。安心感を与えてくれるセロトニンというホルモンがありますが、これを効果的にリサイクルするセロトニントランスポーターというたんぱく質が日本人は遺伝的に少ないという研究があります。このことから、これからますます変化のスピードが激しくなる中で私たちの不安もまた増大することが予想されます。この傾向は人材育成の観点からも見過ごすことはできません。

私たちクオレ・シー・キューブはメンタルヘルス相談やハラスメント被害者からの相談、更に行為者の行動変容プログラムに携わってきました。そうした活動の中で不安が内面に向かったときにはメンタル不調が起き、外に向かった時にはハラスメントを引き起こしているというケースによく出会います。私たちはハラスメントというちょっとネガティブな、しかし人間の本質的な側面に数多く触れてきました。今、VUCA時代という不安定な社会の中でこれまでの「人材育成」「人とのかかわり」「職場づくり」を少し見直していかなければならない時に来ています。そこで私たちがこれまで培ってきた経験を反映していきたいと思っています。

(2019年1月)

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