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モンスターペアレント

Qある従業員が、メンタル不調で休職しました。その後、その従業員の父親から会社に電話があり「息子がひどいパワハラ(パワーハラスメント)で病気になった!こんなひどい会社は訴えてやる!」と怒鳴られてしまいました。親が会社にこのような電話をすること自体、ちょっと異常だと思うのですが、どのように対応すればよいのでしょうか。
Aハラスメントを受けたという被害者本人ではなく、両親や夫、妻など家族から会社に苦情が入るケースは、年々増加しているように思います。常識的には受け入れがたい無理難題を言ってくる人のことを、学校では「モンスターペアレント」、病院では「モンスターペイシェント」と言うようになって久しいですが、今回の質問内容について、もう一度吟味したいと思います。

まず、家族からの訴えとして「ひどいパワハラによって病気になった」ということが事実かどうかを、会社として確認する必要がありますので、従業員本人からパワハラ被害について、そのような事実があったのかどうか事実確認を行います。このとき、家族が「同席したい」というケースも多いのですが、基本的には従業員本人とのやり取りを重視したほうがよいでしょう。何故なら、ハラスメントの現場に家族が居合わせるケースはほとんどなく、家族の話は従業員から『また聞き』した内容にすぎないからです。それを会社として『ハラスメントの事実』とするわけにはいかない旨を、家族の方に丁寧に説明し、仮に事実調査に同席した場合でも、そばで見守ってもらうのに留めます。

その上でハラスメントの事実があったかどうか、あらかじめ則った手順に従って調査を進めていきます。その結果、本当にひどいパワハラが認められれば、処分等の措置を行うことになります。この場合、従業員の家族は「モンスター○○」というような無理難題を言うような人ではなく、全うな理由で会社に苦情を申し立てたということになります。

ところが、調査の結果パワハラの事実がないのにもかかわらず「息子が病気になったのは会社のせいだ」の一点張りでは、「モンスター家族」といわざるをえないかもしれません。

つまり、最初に従業員の家族から苦情の電話が入った時点では、その訴えが「モンスター家族」かどうかはわからない、ということです。家族からの苦情や相談が1回あっただけで「家族が会社の文句をつけてくるなんで、非常識だ!」と嫌悪感を持ってしまうと、最初からその家族や従業員本人を厄介者あつかいしてしまう可能性があるので、注意が必要です。家族とのやりとりがこじれるケースの多くは、会社側が内心「家族が来ちゃったよ、勘弁してよ」などと厄介者扱いしているのが、表情や言葉のニュアンスで相手に伝わってしまったケースです。

従業員のご家族の話を聴くときには、「家族としてとても心配である」というご家族自身の気持ちを、充分に受け止めることが大切です。パワハラの事実がある、ない、に関わらず、大切な家族が悩み、苦しんでいる姿を目の当たりにすれば、不安や怒りが湧いてくるのはむしろ自然なことと捉え、「ご心配な気持ちがよくわかりました。」と率直に伝えます。

ただし、気持ちを受け止めることと、被害者や家族の要望を受け入れることとは違います。そのため、会社として出来ることと出来ないことの線引きは、明確に伝える必要があります。パワハラの事実がないのに「訴えてやる!」と繰りかえすケースなどでは、会社として十分に事実調査をし、処分に値するような事実がないことも、書面で説明することが求められます。このように、真摯に対応する姿勢を見せることは、ご家族の気持ちを受け止めることにもつながります。

先入観を持たずに誠実に対応することで、従業員本人にも、ご家族にも、安心してもらうように対応したいものです。

(2011年)

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