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ハラスメント相談の現場からVol.1 “パワハラ”と“適正な指導”の境界ってどこにあるの?

Vol.1 “パワハラ”と“適正な指導”の境界ってどこにあるの?

某社人事部のN氏はここ数年、寒が緩み蕾のほころぶ季節になると新年度への期待が膨らむ一方で、どんよりと気分が重くなってきます。

先日、新人研修にFさんが遅刻してきました。Fさんは入社式にも遅れてやってきて、社長訓示の最中、ヒールの靴音を高らかに響かせながら最前列に座ったツワモノです。式の終了後、N氏が遅刻について注意し、「後ろに座るのが常識」、「社会人として周囲への配慮に欠ける」と苦言を呈した途端、Fさんはわっと泣き出してしまいました。その後、Fさんは課長に「体調が悪くて遅刻したのに、いきなり怒鳴られた」と直訴し、数日前、N氏は課長から「パワハラで訴えられないよう気をつけろよ」と言われたばかり。N氏は、いったいどこまでが適正な指導でどこからが行き過ぎた指導、はたまたパワハラになってしまうのか分からなくなり、新人教育への意気込みがしぼんでいくのを感じています。

弊社では、早くからパワハラを「職務上の地位または職場内の優位性を背景にして、本来の業務の適正な範囲を超えて、継続的に相手の人格や尊厳を侵害する行為を繰り返すことにより、就労者に身体的・精神的苦痛を与え、また就業環境を悪化させる行為」と定義し、研修においても「業務上の必要性がある叱責はパワハラではなく正当な指導であり、毅然とした態度で対応するべき」と提唱し続けてきました。遅刻行為を注意するのに「人間のクズ!」、「そんなヤツは首だ!」などの表現を用い、これを日々繰り返したとすれば、それは明らかに適正な指導の範疇を超えていると考えられます。しかし、本ケースに見られるような時間管理にルーズな新人に対して「遅刻はだめ」と、社会人としての基本ルールを明確に示して指導・教育するのは上司や担当者の大切な役目であり、看過することは当該社員にとっても企業にとっても、また他の従業員たちにとっても百害あって一利なしであることは言うまでもありません。

何事も最初が肝心です。有望な新人たちの将来あるべき姿を見すえ、自信と、そして愛情をもって指導に当たりましょう。

(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2015.03)

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