ハラスメント相談の現場からVol.9 メール対応の落とし穴に要注意!

Vol.9 メール対応の落とし穴に要注意!

いつでもどこでもパソコンやスマートフォンを開いて情報をスピーディーに送受信できるメールは、今や傍にいて当たり前の伴侶。1年365日、メールを利用しない日は一日としてないのではないでしょうか。
営業企画部門で働くAさんから「愚痴になりますが、聞いて下さい」と相談がありました。この春に交代した上司は超多忙な人で、指示命令はもちろん、資料のチェックもメールで行います。「それはそれでいいんですけれど…」とAさん。問題は、苦心して作成した資料を送るやいなや即、「あり得ない!」、「良いところなし!」などの超短文の返信が届き、バッサリと一刀両断、全否定されてしまうことです。「どこがどう問題なのか、ヒントもアドバイスもなく」困惑するばかりか、「冷水を浴びせられた気がしてやる気が失せる」とのこと。同様の気持ちを味わっているのはAさんだけではなく、「もっとプロセスも見て欲しい」、「こちらの意図だって汲んで欲しい」との無念な思いが募り、業務遂行意欲にブレーキがかかってしまっている社員は少なくありません。そればかりか、Aさんは最近「上司からのメールを開くのが怖くなって」しまっているそうです。「愚痴ってスミマセン」とAさんは謝りつつも、苦しい現状からどう脱出すればいいのか、途方に暮れている様子でした。
言葉の暴力は言うまでもなく、Aさんのケースのように相手を軽んじたり、無視したり、配慮を欠く対応に受け手が大いに傷ついてしまうメール対応は枚挙にいとまがありません。メールによって生じる“シコリ”は一方的で表面化しづらく、解決が困難な点が特徴です。
まずは、メールのやり取りはトラブルを招きやすい事実をしっかり理解し、丁寧に対応すること。重要な事柄や複雑なやり取りはメール対応のみで完結させるのではなく、必ず直接口頭でフォローする場を設けることが大切です。機械相手の操作であっても、その先にいるのは感情をもった人間なのですから。

(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2015.11)

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