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ハラスメント相談の現場からVol.59 パワハラ防止法とハラスメントフリーへの道

Vol.59 パワハラ防止法とハラスメントフリーへの道

2023年のある日のことです。職場で「ハラ対(ハラスメント対策)寓話」なる回覧が回ってきました・・・

【ハラ対(ハラスメント対策)寓話】

「上司のパワハラを何とかして欲しい」と、社内相談を担当するAさんのもとへBさんが駆け込んできました。話を聞いてみると、上司のCさんがミスを注意する際、「ネチネチと言ってくるので、だいぶ追い詰められている。最近は寝つきも悪く、出社するのがつらい」という訴えです。Cさんは誰もが認める切れ者であり、自分にも他人にも厳しいことで知られています。

AさんはBさん、Cさんのヒアリングを行い、さらに周囲の人たちからも情報収集し、コンプライアンス担当役員Dさんに調査報告をしました。Dさんは、資料を読んで頭をひねります。「この案件は“パワハラ”に該当するのだろうか?BさんとCさん、どちらも一理ある。周囲の人たちの意見は『Cさんは正論を振りかざし、その指導は目に余る』、『Bさんのたび重なるミスへの注意としては妥当』とある。真っ二つに分かれたか…判断が難しいな。しかし、調査も済んだことだし、この後は社内プロセスに任せよう。」

数日後、懲罰委員会が招集され、法律の専門家を交え3年前の2020年6月に施行された『パワハラ防止法』と社内規定に照らし合わせて「本件はパワハラと認定できるのか、認定できないのか」、「どういう処分が適当なのか」が延々議論されました。その結果、“パワハラには該当しない”との最終結論に達し、Dさんはじめ懲罰委員会メンバー、担当者らは、「今年度の通報案件のうち、パワハラと認定されたのはまだ1割に満たないな」とほっと肩をなで下ろしましたとさ、めでたし、めでたし…。

回覧を読み終えたEさんは大きく伸びをしながら、「読後感がすっきりしないなぁ。働きやすい職場づくりは、一体どうなっちゃったの?」と隣席のFさんに声をかけました。「この話の教訓はね、『パワハラ防止法』が最終的に目指しているのは、『パワハラをいかに正しく認定するか』ではなくて、『認定結果の如何によらず、職場の解決するべき課題を一つ一つ取りこぼさず丁寧に扱っていくこと』なのよ」というFさんの言葉にEさんは膝を打ち、「そう!制度/法律を見て人を見ず、では本末転倒。大事なのは、ハラスメントフリー職場実現のために私たちが制度/法律をいかに有益に活用するか、だ」と大いに溜飲が下がったのでした。晴れてめでたし、めでたし。

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