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ハラスメント相談の現場からVol.44 “聴く耳”を磨きましょう

Vol.44 “聴く耳”を磨きましょう

昨今、巷では「人生100年時代」にまつわる話題が聞こえてきます。鶴や亀の長寿は誰もが知っていますが、人間もひたひたと確実に寿命を延ばしてきているようです。今後、科学がさらに進歩すれば、なかなか死ねない世の中がやって来るのでしょうか。

そうなると、「一体いくつまで現役で働けば良いのか?」が頭をよぎります。経済的なことも含めて充実した人生を送るためには ”やり甲斐“、”生き甲斐” を見つける必要があり、「とりあえず仕事の継続は第一選択肢」と考える人は多いでしょう。

某企業で長く営業トップの成績を誇っていたL氏は、昨年定年を迎えて役職を退いた後、シニアアドバイザーとして残ることになりました。卓越した営業センスを見込まれ、是非、次代の営業パーソンへL氏のノーハウを引き継いで欲しい、と請われてのことでした。後進の指導、育成という仕事の中身に不満のあるはずはなく、L氏は張り切ってその任に当たりました。ほどなくして、上司のR氏から話がある、と呼ばれました。客先へ同行した際のL氏の態度についての注意でした。L氏が主となって話を進めるため肝心の担当者の出る幕がない、客先担当者からの問い合わせがL氏宛に入ってしまい情報共有が滞る、などR氏から問題点が指摘されました。「一歩引き、見守りながらやっていただきたい」と告げられたL氏。「後輩にロールモデルとして自分の姿を見せることこそ生きた教育」と固く信じるL氏は、R氏の見解を受け入れることができません。

L氏はこれまで自分の仕事の進め方を「正しい」と信じて実践し、成績を上げることで周囲を承服させ、さらに自信を深めて「正しい」やり方を推し進める…、これを繰り返してきました。長年の間に ”自信” と ”実績” で雪だるまのように膨らんでしまったL氏は、自分と異なる意見を聞かされたり、進言されたりするのが大の苦手になったのです。

結論から言うと、できるだけ長く仕事を続けたかったL氏でしたが、早々にシニアアドバイザー契約は終了してしまいました。理由は、会社が期待する進路へ舵を切ることができなかったからです。

定年後の時間が予想以上に長いものになるかもしれないことを考えると、働く、働かないに関わらず自分の「正しい」を信じ、耳をふさいで一路邁進するより、周囲と協調するため柔軟に舵取りしながら進むことが肝要です。そのための重要な鍵は、仕事でもプライベートでも周りの声をしっかり ”聴く耳“ を持つことです。

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