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ハラスメント相談の現場からVol.45 意識は世に連れ?

Vol.45 意識は世に連れ?

世代が異なるとコミュニケーション方法に大きな差があることは誰しも肯首するところです。たとえば、黒光りするダイヤル式電話機が茶の間に鎮座していた昭和中期を知っている人間にとって、固定電話がすっかり存在感を喪失している “今” に隔世の感を覚えます。これから10年先、20年先、いや5年先の世の中を考えてみても、おそらく想像をはるかに凌駕する事が起きているに違いありません。

現在、某テレビ局で再放送している1970~80年代に大ヒットした連続ドラマがあります。小さな銭湯を経営している善良な初老夫婦の話、というと「あ、懐かしい」と思い出す人もいることでしょう。家業を継がずサラリーマンになり出世のレールに乗った一人息子が、ある日 “仕事がらみの付き合い“ でバーで飲んだ後、ホステスを2,3人引き連れ深夜、酔っ払って帰ってきます。彼女たちを家の中へ招き入れ、あたふたとお茶の支度をしてもてなす妻と息子の嫁。これから一波乱起きるのか、と思いきや、ホステス一同退散し、長男夫婦が寝静まった後、茶の間で夫婦はお茶を飲みながら「あいつ(息子)も偉くなったもんだねぇ」、「やっと一人前、これで安心だ」としみじみ感慨にふけるのです。

40年ほど前の生活習慣、行事や風物が生き生きと反映されているドラマの一コマに、何か違和感を覚えませんか?「変だな」と感じる人もいれば、「この頃はのどかで良かった」と今の世を憂う人もいるかもしれません。夫婦のあり方、男女の役割分担、働き方、などなど価値観の驚くほどの変遷がうかがえ、たかだか数十年という年月を切り取っただけでも、世の中がいかに激しい変化を遂げてきているかが見てとれるのです。

部下指導に苦労するシニア管理職の中には、「自分たちの若い頃にはもっと厳しい指導を受けた(自分の部下指導はまだ甘いくらいだ)」、「昔のやり方の方がずっと良かった(IoTだのAIだの自分には関係ない)」と喝破する人たちがいます。時代の流れに竿さし、周囲とのズレを見過ごして自らの価値観や信念を死守しようとするあまり、無理やり相手に押しつけてしまうと、前時代の遺物として敬遠され一人浮いてしまうばかりか、人間関係を損ねて、職場環境悪化のリスクにもつながります。

いつの世も変わらぬ人情にほっこりすると同時に、移り変わりの激しさを改めて実感し、さらには我が身を振り返って価値観を見直す…、ひと昔前のお茶の間ドラマを観てもさまざま考えさせられることの何と多いことでしょう。

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