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ハラスメント相談の現場からVol.52 VUCA時代の部下対応とは?

Vol.52 VUCA時代の部下対応とは?

VUCAという言葉を耳にすることはありませんか。Volatility(変動)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑さ)、Ambiguity(曖昧さ)の4つの言葉の頭文字をとったもので、今の時代の特徴をよく表していると言われています。私たちの身近な生活の中でも、仕事の内容や進め方、人との関係において、決められたことを決まったやり方で気心の知れた人たちと一緒にやっていれば大概うまくいく、という時代ではなくなってきました。

傘下にある子会社のトップとして親会社から出向を命じられたA氏は、着任早々大きな違和感を覚えました。「旧態依然のマニュアル」に従って、「自分が任された業務範囲」にしか手をつけようとしない社員たち、重要事項が決議されずだらだら長引く会議、和気あいあいというよりむしろ馴れ合いの緊張感の欠けた生ぬるい空気、などなど。「組織風土に問題あり」と確信したA氏は早急に改革が必要だと痛感し、持ち前の行動力を発揮して即実行に移しました。明確なヴィジョンを示した上で、業務全般の見直し、マニュアル廃止や会議縮小など大鉈を振るい始めたのですが、社員たちは一向についてきません。「今までの働き方のどこが悪い」、「一方的に全否定された」と受けとって反発を覚えた社員たちが反旗を翻し、「A氏のやり方にはついて行けない」と団結して親会社へ訴えたのです。

「マンネリ化したやり方を刷新しないと、想定外はもちろん想定内の突発事項にすら誰も対応できず、複雑かつ流動的で不安定な時代に生き残れない」とA氏の抱く危機感はもっともであり、”変革”は喫緊の命題でした。では、どうして「笛吹けど踊らず」だったのでしょうか。VUCAを構成する4つのどれもが共通して人に与える感情は、”不安”だと考えられます。A氏の部下である社員たちの多くは長年、「安定性」、「確実性」、「単純さ」、「明快さ」に馴染んできました。これから一体、何が起きるのか不安を覚えて尻込みし、拒否反応を示したとしても不思議ではありません。時代の内包するVUCAに加え、A氏の改革そのものが社員にはVUCAだったからです。VUCA時代に、とりわけ必要なものは強固な人と人のつながりであり、そのための密なコミュニケーションです。もちろん、一方的な発信だけではなく、相手からの微細な信号も受け取って応答できるよう、感覚を磨いておくことも忘れてはなりません。

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