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ハラスメント相談の現場からVol.38 ドライバーチェック、してみませんか?

Vol.38 ドライバーチェック、してみませんか?

私たちの言動を突き動かす原動力となっている「ドライバー」※についての最終回の今回は、このところ何かと話題に事欠かないハラスメントにも関連がある「強くあれ」の話です。

パワーハラスメントの行為者の中には自らの弱さ、弱味を受け入れることができず、「弱音を見せたらおしまい」と考える人、すなわち、「強くあれ」のドライバーが高い人がいます。自分に厳しい人間のつねとして、部下が「辛い」、「大変」などと言おうものなら「弱音を吐くな!」と叱咤し、「精神的に弱い」というレッテルを貼ってしまいがちです。わが身に降りかかるプレッシャーからくる辛さや苦労を抑え込み、強くて元気で頼り甲斐のある上司を演じようとすると(ほとんどの場合「演じている」意識はありません)、内に生じている感情や感覚(身体感覚も含む)が鈍麻してしまいます。自分が「感じていない」のですから、他人が「感じている」ことに対し鈍感であるのは当然でしょう。

また、「強くあれ」のメッセージの裏には「男たるもの…」というジェンダー意識が働くことがあります。「男の子は泣くな、しっかりしろ」と言われて育った人もいます。もし、「男は…」、「女は…」と必要以上に性差を意識するようであれば、ジェンダーハラスメントのスタートラインに立っていると自覚しましょう。さらに、LGBT、SOGIなど性的マイノリティや性指向・性自認についての認知度が高まっている昨今、男女の二分法で発想すること自体、問題をはらんでいます。

全5回の「ドライバーシリーズ」では、職場でしばしば見かける対人関係の〝行き違い″と絡めて解説しましたが、ドライバーチェックリスト自体は良し悪しの判断に供するものではなく、満点を目指したり「0(ゼロ)」を目標にしたりするものでもありません。一つのドライバーと表出される特定の言動とが単純に一本の線でつながっているわけではなく、過去や現在の個人の体験や環境などさまざまな要因が複雑に絡み合い影響しています。それでも、ドライバーチェックが活用されるのは、自己を理解・分析し、次なる課題に気づく合理的なヒントを見つける上で、簡便かつ有用なツールだからです。

ドライバーを〝肴″に、職場や仲間うちで話題の和を広げてみてはいかがでしょうか。

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