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ハラスメント相談の現場からVol.55 会話のボタンを掛け違えると?

Vol.55 会話のボタンを掛け違えると?

秋も日増しに深まって、読書に親しんだり、絵画や音楽の世界に浸ったり、旅やスポーツを楽しんだり、久しぶりに会う仲間と気のおけぬ会話に講じたり、厳しい暑さの後にようやく訪れた清々しい季節を十分に楽しみたいものです。

ゆっくり美味しいものでも食べながらおしゃべりしよう、と郊外の洒落たレストランで久々に落ち合ったA子さんとB美さん、たまりにたまった思いをめいめいに吐き出し始めました。

A子さん:たまの休日くらい家族のために頑張って夏バテ解消料理を作ろう、と天ぷらにしたの。台所で揚げ物してたら、もう暑くてベタベタ、油の臭いにヘロヘロ…。食卓に出した時、思わず「あー、大変でした!」って言ったら、姑が「これくらい大したことないでしょ」だって!ムカつくぅ!

B美さん:うちの課長もひどいったらない。「急いで資料作ってくれ」って突然、言われたから、他の仕事を後回しにして超特急で仕上げたの。もちろん、手抜きなんかしないわよ。「できました!」って持って行ったら、「やぁ、楽勝、楽勝!」って笑いながら受け取るの。頭に来たから「課長の無理が通用するのは私くらいでしょうね」って言ってやったわ。

両人のエピソードに登場する会話のやりとりには共通の特徴があります。セリフの内容はほぼそのままに、発言者を入れ替えてみるとどうなるでしょう。A子さんの手料理について姑が、「まぁ、大変だったでしょう」と労い、A子さんが「いえ、大したことないですよ」と返す、B美さんへは上司が「いやー、無理を言って悪かった。本当に助かったよ」と感謝の意を伝え、B美さんが「楽勝でしたよ」とやんわり余裕を示す、というように攻守逆転させると、まったく異なる景色が現れてきます。

入れ替え後のやりとりこそ、スムーズで良好な関係を支えるコミュニケーションです。会話のボタンを一つ掛け間違えると、台本を取り違えて渡されたようにギクシャクと最後までかみ合わないまま進行し、後々まで互いに嫌な気分が滞留してしまいます。

相手のセリフを自分のセリフにしてしゃべってはいないか、このセリフはどちらが発した方が心地よい会話になるのか…などなど、時折、振り返ってみるのも秋の夜長のおしゃべりをより楽しくする大切な工夫でしょう。

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