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ハラスメント相談の現場からVol.21 敵も味方も自分の内に

Vol.21 敵も味方も自分の内に

今年、カレンダーをめくるのもあと1回。宵闇迫る刻も日ごとに速まり、追い立てられるような落ち着かない気分になってきます。

「上司からみんなの前で怒鳴られた」、「先輩から仕事を教えて貰えない、無視される」、「これってパワハラ(パワーハラスメント)じゃないですか?」という相談を耳にします。「怒鳴る上司が悪い」、「仕事を教えてくれない先輩が悪い」と訴えますが、よく聞くと「続けてミスをした」、「なかなか仕事が覚えられず何度も同じことを質問する」など、“それなりの”背景が浮かび上がってきます。

「ダブルチェックしてミスが少なくなったのにまだ怒鳴られる」、「メモをしっかり取って仕事を覚えたが相手の態度が変わらない」など、自分なりに工夫し、改善したにもかかわらず状況は変らないという場合もあります。そんな時、頭に浮かぶのは「やっぱり悪いのは上司だ!先輩だ!」という被害的、攻撃的な思いでしょう。そして、敵だ!と思う気持ちは隠しようもなく相手に伝わり、当然のことながら相手からも敵視されて関係性はどんどんこじれるばかり。それでなくとも忙しい職場で、戦いのためのエネルギーの浪費は極力避けたいところです。

「最大の敵は相手ではなく自分の内にある」と言います。相手に“変化”を求めても疲労困憊するだけで、何も得することはありません。そこで、2つの“め”が解決の助けとなります。一つは、相手に「折れる」のでも相手を「変える」のでもなく、自分の内に“折り合いの芽”を見つけることです。現状はどうなのか、調整の余地があるのか、冷静に自問してみましょう。「焦り過ぎていたかもしれない」、「確認の時間が足りなかった」など、気づくことがあるかもしれません。その後、二つ目の“全体を見渡す眼”で状況を俯瞰することができれば、「相手が重要視しているポイントは何か、もう一度検討してみよう」、「業務全般の優先順位を変えよう」など、戦術を新たにするきっかけが得られます。

矛先を転換することで、敵だと思っていた相手との関係が自然に変わり、問題解決への道が開けてきます。「最大の味方も自分の内にある」のです。

(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2016.11)

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