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ハラスメント相談の現場からVol.50 春は未知との遭遇

Vol.50 春は未知との遭遇

北の地域を除いて列島の花見盛りは終わり、瑞々しい新芽が育つ美しい季節を迎えました。何事にも“新”の文字が付いてくるこの時期、新社会人を迎える企業では何かとイベントに追われる頃ではないでしょうか。

マネジメントや人間関係構築に腐心する管理職の方々の話題に「若い連中は自分から相談してこない」、「こちらの指示とは違うやり方を押し通し、何度言っても直らない」という共通の“悩み”が出てきます。「分からないことは何でも聞くように、と言っているのに…」、「指示の内容は何度も繰り返し説明しているのに…」と、困惑を通り越しイライラが抑えきれない様子が隠せません。その結果、古今東西の命題である「若いモンは何を考えているのか分からない」という不如意な結論に落ち着いていきます。一方、“若いモン”と話していて噴出してきたのは、「上司や先輩はこっちの話を聞こうとしない」、「会話が一方的で押しつけがましい」などなど…。最後に落ち着いた結論は、「上司(先輩)は分かってない」というものでした。たいへん興味深いのは、「分かり合えていない実態」を双方が明確に認識している点において、期せずして“分かり合えている”事実です。

産労総合研究所が2019年度新入社員のタイプを“呼びかけ次第のAIスピーカータイプ”と命名し、次のように分析、紹介しています。「多機能だが、機能を十分に発揮させるためには細かい設定(丁寧な育成)や別の補助装置(環境整備)が必要。最初の呼びかけが気恥ずかしいが(オーケー!とか)、それなしには何も始まらない。多くの新入社員はAIにはできない仕事にチャレンジしたいと考えていることをお忘れなく」。こう表現された新人を受け入れる側の先輩、大先輩たちの声を勝手に代弁してみます。「すっきりした外観は格好良い!」「丁寧に大事に扱わないとね。取説を読もう」、「基本はPCと同じ?まず電源入れてみるかな…」など、矯めつ眇めつ興味津々、何とかうまく使いこなそうとするのではないでしょうか。機器であれ人であれ、未知の相手に「興味・関心をもち」、「何ものであるかを知ろうとする」ことが“うまくやっていく”ための必須の大前提です。

職場においても「まだ分かり合えていない」実態を受容することに始まり、気恥ずかしくとも声をかけ、相手の話に耳を傾け、共感したり“違い”を確認したりする地道なプロセスが、互いを知ることの“快”につながり、先へ歩を進める礎となるのです。未知との遭遇はつねにワクワク、胸躍らせる楽しい体験に違いないのですから。

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