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ハラスメント相談の現場からVol.31 言い訳と状況説明の違いは?

Vol.31 言い訳と状況説明の違いは?

「言い訳は聞きたくない」、「言い訳するな」というのは部下のミスに対して、上司からの叱責によく使われる表現です。たとえば、「なんで遅刻したんだ?!」と問う(叱責する)上司へ、「このところ残業が続いていたので、つい…」と部下が答え始めるやいなや、最後まで聞き終わらず前述の文言が飛んでくる、という具合です。

部下の“言い訳”を遮った後に続く上司の言葉は、「大変なのはお前だけじゃない」、「残業になるのは効率が悪いから」、「寝坊するなんて緊張感が足りん」などなど。 上司からの一方通行の会話の大きな原因になっているのが、この“言い訳は聞きたくない問題”(言い訳アレルギー)です。もし、毎度毎度の遅刻の理由として「前夜の深酒」や「目覚まし時計の故障」をあげるのであれば、立派な言い訳の太鼓判が押せます。この場合は、「決められた時間に出勤しなさい」と、しっかり基本の社会人教育をすることです。

しかし、部下の遅刻の理由が、もし頻回な残業にあるとしたら、働き方全般を一度見直す必要があります。そのための話し合いの場で、部下の言葉を「言い訳は聞かない」と遮ったら? 『大辞林』(第三版)によれば、“言い訳”の意味には、大きく分けて「自己の言動を正当化するための説明」と「物事を筋道立てて説明すること」がありますが、現在、言い訳は前者の意味あいで使われることが多いようです。

部下から「(事前の予測と違い)思った以上に業務負荷が大きい」、「他部署から急な依頼が入った」などの状況説明に対し、上司が「言い訳するな」と言い放ってしまったらどうでしょう? 部下は納得できないまま黙り込んでしまうか、あるいは本心とは裏腹に「すみません」、「頑張ります」と答えるのが関の山です。これでは会話は成立しないばかりか、上司はさらに激しく部下を叱咤激励し、部下は無理解な上司へ不信感を一層募らせることになるでしょう。

自己を無理やり正当化したり、責任転嫁・回避したりする文言は確かに耳障りな“言い訳”でしょうが、現状や見通しについての客観的な説明・意見は上司と共有すべき貴重かつ必須の情報です。その情報に含まれている部下の本音、言い分にもしっかり耳を傾け、問題解決の糸口にしていきましょう。

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