ハラスメント相談の現場からVol.14 職場の“当たり前” を見直しませんか?

Vol.14 職場の“当たり前” を見直しませんか?

新年度に入り、ニューフェイスが加わった職場も多いことでしょう。そんなときこそ、職場風土や慣習を見直す絶好のチャンスです。

自分の家のにおいは気にもとめないのに、よその家を訪問すると独特のにおいを感じることがあります。同様に、同じ職場で長く過ごしていると、職場の個性や特徴に気づけなくなってしまうものです。自分たちは当たり前と思っていることが、第三者的に眺めるととても不自然に思えることがあるのです。新しいメンバーは、その“不自然な当たり前”に違和感を覚えるでしょう。ところが、新メンバーからの素朴な疑問は、既存のメンバーには意外であり、ときとして自分たちの価値観を否定されたように感じてしまいがちです。

最近、社会人一年生から「会議のお茶出しだけのために女性社員が残業するのはおかしいのではないか」との声を聞きました。新人の目は、この“不自然(理不尽)な当たり前”を決して見逃しません。時として“職場の常識”を揺るがす脅威となり、既存メンバーの中にはその脅威の対象をはじき出そうとする現象が起きます。新メンバーがなかなか定着しない職場には、もしかしたらそんな現象が起きているのかもしれません。排除するための無視や嫌がらせなどがあって、いくら頑張っても一向に仲間として承認されずに思い悩む新メンバーを周囲に見かけたことはありませんか?

もちろん、新メンバーの指摘が必ずしも的を射ているとは限りません。素朴な疑問を一緒に話し合って解決する中で、共通の “当たり前” に置き換えられたり、新たな職場の常識を構築したりするチャンスが生まれるのです。

思いがけない指摘があったら、一瞬ムッとくる気持ちを脇において、冷静に客観視してみましょう。いつもの職場が違ったものに見えてくるかもしれません。そして、新メンバーと一緒に心機一転、新しいチームを作っていけるのではないでしょうか。

春です。明るい気持ちで変化を楽しんでみてはいかがですか。

(株)クオレ・シー・キューブ 志村 翠 (2016.04)

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